ショートショートな日々。

ショートショート的なものを綴ります。

プロポーズを待つ女

私は、この前彼氏からプロポーズを受けた。

よく行く飲み屋で常連客から囃し立てられて、

半ば強引に彼氏が言ってきた。

 

私は嬉しい反面こう思った。

「あぁ、この人多分結婚しないな」

 

彼氏と同棲し始めて約2年。

結婚に焦る時期でもあるので、

「いつ結婚してくれるの?」としつこく聞いていた。

あまりにもしつこいからだろう。

「今年中」とだけいつも彼は答えていた。

 

秋だ。

結局"するする詐欺"をして、

彼氏は母親に「しようと思う」から話を進めていない。

12月になった。

彼氏は自ら結婚を切り出すことはない。

もう"席を入れた気でいるのだ"。

 

"今年中"という呪いに縛られたまま、

私は彼からの本当のプロポーズを待っている。